【就活】自己PRのポイント・やり方まとめ~企業のブランド戦略やマーケティング手法を取り入れてみよう~

【就活】自己PRのポイント・やり方まとめ~企業のブランド戦略やマーケティング手法を取り入れてみよう~

自己PRのやり方・求められていることがよく分からない…。イマイチアピールできる自分の強みが腑に落ちない…。
自己PRが悩みの種になっている就活生もいらっしゃるかもしれません。

今回は自己PRに有用な「ブランディング」の本当の目的と、企業のブランド戦略や実際にビジネスで使われているマーケティングの考え方から、自己PRに使えそうなものをピックしました。
自己PRは作れたけれど漠然としている方や、これから作るけど何がポイントか分からない方のブレイクスルーになれば幸いです。

■ブランディングとは

「ブランド」は革製品に焼印をすることから生まれた言葉です。
「ブランド」と聞くとまずロゴやブランドのテーマカラーを思い浮かべると思いますが、ブランドの本質は「一貫したビジョンやコンセプトをブレることなく持ち続ける」ことにあります。
ロゴやテーマカラーはビジョンやコンセプトを伝えるためのビジュアル的な手段にすぎず、そこにこめられている意味や想いこそがブランドのコアです。

■社会に必要とされていなければブランディングは「イタい」

創業から長く続くブランドは、それだけ消費者から必要とされ続けてきたから存続しています。
また一過性の流行であっても、何かしらの理由で必要とされれば商品は売れます。
就活での自己PRも同じで、自分がどれだけ優れているかをアピールしても、その優れた点が企業や社員に必要とされていなければただの自慢に終わります。
自分を高値で売ること以上に、まずは「ファン」になってもらうこと、役立ててもらうことを目的としてください。

■社会に必要とされるブランディングをする方法

自己顕示で終わらない自己PR・セルフブランディングをするポイントは、
・一貫性をもつこと
・まわりの変化に合わせて変化をすること
です。
一見矛盾しているようですが、変えないところは変えず、変えるところは変えるということです。
経営などの分野で「不易流行」(芭蕉の俳諧理念)という言葉が使われますが、ブランディングのポイントはまさにこの「不易流行」にあるといっていいでしょう。

■企業のブランディングを個人のブランディングにどう活かすか?

企業で実際に行われているブランド戦略から、個人として実践できるものをまとめました。

◆USPを決める

USPはマーケティング用語でUnique Selling Promotion(独自の販売提案)の略で、「私には○○ができます」ということを端的にまとめたものです。「4P」というマーケティングのフレームワークがありますが、4つのP=Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)のうち、「Promotion(販促)」に役立つのがUSPです。
他社商品との差別化を図るためになくてはならないUSPですが、競争の激しい就職活動においても他の就活生と差別を図るためにUSPを考えて伝えられるようになることは有用です。

◆「知覚品質」を考える

「知覚品質」(perceived quality)は、実際に商品を使用する前に、その商品やブランドについて感じられる品質や性質のことを意味します。たとえば「コカ・コーラ」からは「炭酸の爽やかさ」や「気分転換」といった知覚品質を感じられます。
あなたにはどんな「知覚品質」があるでしょうか。まわりからどう思われている可能性があるか分析してみましょう。

またどんなに良い商品でも、「知覚品質」により消費者に認識してもらえないとその商品は売れません。
就活でいえば存在を認識してもらうこと・覚えてもらうような第一印象、ブランディングに気を配りたいものです。

◆「インサイト」を常日頃から考える

「インサイト」(insight)は消費者の購買意欲を促す、心の奥底に眠っているニーズのことを意味します。簡単に言えば「本当は何を求めているのか」です。
インサイトが分かるようになるには、まずは自分のことをよく理解することからスタートしましょう。自分の感情の揺れ動きや行動の理由を分析することで、相手が何を求めているか行動から分かるようになります。
面接試験は「求められたことにきちんと応えられるか」も見られていますし、相手が何をしたいか理解することは日常的にも必要なことです。

◆強みと価値が分かるエピソードを語る

楠木建の『ストーリーとしての競争戦略』によれば、うまくいく戦略は「ストーリー」だといいます。人に語りたくなるような、一貫したストーリーであること。
自己PRでも同じことがいえます。
論理だてて語れるストーリーであればどんなエピソードでも問題ありませんが、特に長期の取り組みで短期的な目標をもって取り組んだことをPRすると良いでしょう。

◆Who・What・Howを考える

マーケティングで有名な「Who・What・How」について分析するフレームワークがあります。
自己PRに当て嵌めて分析してみましょう。

誰に(企業の具体的な特徴)
何を(自分の強み、特性)
どのように(強み、特性を活かしたエピソード)
伝えるかを考えます。

■まとめ

ブランディングや自己PRの意味を安易にとると、プラスどころかマイナスの評価を得てしまう可能性があります。
自己PRの準備をする・実際に面接でアピールする際も、ただ一方的な自己顕示をするのではなく、相手にとってどんなメリットがあるのか、どう役立つのかを考えながら、じょうずにPRしたいところです。

参考:

・amazon: MarkeZine BOOKS『デジタル時代の基礎知識『ブランディング』 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール』(2018年、翔泳社)


・amazon:小山田育、渡邊デルーカ瞳『ニューヨークのアートディレクターがいま日本のリーダーに伝えたいこと』(2019年、クロスメディア・パブリッシング)


・amazon:ジェイ・エイブラハム『新訳 ハイパワー・マーケティング あなたのビジネスを加速させる「力」の見つけ方』(2017年、KADOKAWA)


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