【就活】つぶれない会社を見分ける方法【ドラッカー】【ビジョナリーカンパニー】

【就活】つぶれない会社を見分ける方法
【ドラッカー】【ビジョナリーカンパニー】

人生100年時代を背景に「転職は最早当たり前の時代」という意見もありますが、転職前提で就職するよりはできるだけベストな就職先をしっかり決めたいところです。
就職先選びとしては、「できるだけ安定した会社」「やりたいことが実現しやすい会社」「仕事がしやすい職場」などさまざまな着眼点が考えられます。
「できるだけ安定した会社」も最早存在しない時代ですが、今回は「できるだけつぶれない会社」という視点で、「会社がつぶれる」ことの意味と特徴、就職・転職で「つぶれない会社」を見分ける方法についてまとめました。

■「会社がつぶれる」とはどういうことか

「倒産」には民事再生、会社更生、破産、解散、私的整理などの種類がありますが、「会社がつぶれる」ということは簡単に言えば「お金が尽きる」ということです。
売上が伸びていても黒字倒産する企業は多くあります。利益が出ていても、実際のキャッシュが入ってこなければ資金が枯渇するからです。

■衰退する企業の特徴

「つぶれる会社」には以下のような特徴があります。
複数当てはまれば100%つぶれる、というわけではないので、あくまでも傾向として参考にしてください。

◆「衰退の五段階」にある企業

ジム・コリンズの『ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階』によれば、衰退する企業は以下の5段階を経るそうです。

〇第1段階「成功と思い上がり」
・傲慢な無視
・何となぜの混同
うまくいって当然と思う傲慢さ、幸運を実力と勘違い、リーダーが勉強しない、理由を求めたがるなどの特徴がみられるのが衰退の第1段階です。

〇第2段階「規律なき拡大路線」
・自己満足ではなく、拡張しすぎ
・成長への固執
・パッカードの法則の無視
・問題のある権力継承
実力以上の拡大、経費の管理が緩い、規律なき拡大路線など。
「なんでもやる」精神で事業や業務の幅を広げすぎていないでしょうか。

〇第3段階「リスクと危機の否定」
・方針の誤りを示す事実が積み重なるなかで大きな賭けに出る
・喫水線下のリスクをおかす
・否認の文化
都合の悪い事実を隠す、曖昧なデータを根拠にする、社員のふるまいに様式がなくなる、組織再編への固執など

〇第4段階「救済への渇望」
・特効薬を探す
・パニックと必死の行動
一発逆転・即効性を求める、リストラなど

〇第5段階「屈服と凡庸な企業への転落か消滅」
・戦いをあきらめる
・選択肢が尽きる
・否認なのか希望なのか
経営を諦め屈服し、転落・消滅せざるを得ない最終段階です。

ただ第一、第二段階にはどんな企業でも陥りやすいとジム・コリンズはいいます。

◆ドラッカーから学ぶ「衰退する組織」

・関連記事:

↑経営といえばこの方。ドラッカーは衰退する組織について、以下のような特徴を挙げています。

・調整役を立てている

優良な企業には、意志のない調整役に従って動くのではなく意志を持って率いるリーダー役、そして調整役がいなくとも自ら動き出す社員が必要ということです。
「頼まれればやる」ではなく、「私はこうしたい」という意志で動き意見をぶつけることが、企業を存続させるための1つ目のポイントです。

・組織階層が複雑

トップとの距離感があるいわゆる「縦割り」の階層をもつ企業は、コミュニケーションの不全となりやすい環境にあるといえます。
役職の肩書が少ない・「横割り」階層など、できるだけシンプルな階層をとっているかチェックしてみましょう。

・部署間・社員間で同じ価値観を共有していない

組織での仕事はそれぞれの部門が複雑に絡み合っています。
部門間で価値観を共にせず、敵意をもって仕事をすることが上手くいかないのは想像に易いと思います。

・長時間の形式的な会議が頻繁にある

少人数の会議を最低限、タイムマネジメントを大切にするドラッカーの考えです。
(以下引用)
仕事の関係に人間関係がからむと、時間はさらに必要になる。急げば摩擦を生じる。あらゆる組織が仕事の関係と人間関係の複合の上に成り立つ。ともに働く人が多いほど、その相互作用だけで多くの時間が費やされ、仕事や成果や業績に割ける時間が減る。
・ドラッカー名著集1 『経営者の条件』(ダイヤモンド社、2006年)

形式的な会議よりも形式のない話し合いを重ねることで、事業を継続できます。

・トップの好き嫌いに従う

(以下引用)
『われわれの事業は何か』に答えることこそ、本当の意思決定である。しかも、意味のある有効な意思決定とは、多様な見解を基礎としてなされるものである」
・ドラッカー『マネジメント 務め、責任、実践Ⅱ』(日経BP、2008年)

「伸び悩む会社は意見の食い違いで問題が生まれる。伸びている会社は意見の食い違いで成果が生まれる」
・山下淳一郎『ドラッカー5つの質問』(あさ出版、2017年)

異論を唱えずなんでも従うと衰退しやすいとドラッカーは言います。

■就活でつぶれない企業を見分けるポイント

衰退する企業の特徴は、実際にその企業で働いてみないと分からないことも多いでしょう。
ただ最低限チェックしておきたいところとしては、以下のようなポイントが挙げられます。
単刀直入に「経営理念に対してどんなことに取り組んでいるか」「企業の存続に対して社員としてどんなことを意識しているか」なんて質問をしてみるのも良いでしょう。説明会でも映えると思います。

◆経営理念を大事にしている会社か

経営理念やミッションに重きをおいていない企業は要注意です。
ただミッションが設定されていても、文章理解だけにとどまっていれば意味はありませんので、企業のサイトにミッションが記載されているか否かで判断するのもあまり良い判断とはいえないでしょう。
説明会や企業訪問で、独特の社風や文化を感じ取ったことがある方がいらっしゃるかもしれません。そういった状態を判断の1基準としても良いでしょう。宗教的だと不安になる・嫌悪する必要はありません。
経営者が独裁的で社員にその経営理念が伝わっていない企業を懸念したほうが良いです。

◆事業の将来性を鑑みる

今後テクノロジーに代替される仕事か、人間と機械どちらも必要な仕事なのか、これまで同様人間がやっていく仕事か。その事業の市場規模はどれくらいか。その企業で展開されている事業の将来性にも着目してみましょう。
また前述のように、事業の手を拡げすぎて「なんでもやる」状態になっていないかもチェックしたいところです。

◆職場へ足を運ぶ

企業に出向いて実際の雰囲気を見るとやはり違います。
社員の方がどんな雰囲気で仕事をしているのか、フロアの環境は考えて整えられているかなど、自分の感覚で得る情報は大きな判断材料になります。
企業情報や市場トレンドからいくら優良企業を見つけたとしても、そこに就職すれば働き続けられるというわけではありません。仕事自体よりも仕事における人間関係がつらいというケースは多々あります。企業よりも自分が先に潰れてしまわない環境を選ぶことも重要です。
実際の職場で働ける、選考関係なく企業の方と話ができる学生向けサービスもありますので、積極的に活用してみましょう。

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■どんな会社でもつぶれる可能性はある

「電力会社はつぶれない」、「鉄鋼のメーカーはつぶれない」など、ある程度の推測はできますが、どんな企業でも絶対つぶれないとは断言できません。

参考:東京商工リサーチ 全国企業倒産状況

倒産数は年々減少してはいるものの、2019年4月から9月の間に4,256社の企業が倒産しています。

「大企業だから安心」という価値観はもはや過去のものになりつつあります。
「つぶれるかつぶれないか」を超えて、企業が衰退への危機をどう捉え食い止めているか、また「つぶれた」時に自分で食いつなげるようにしておくことも忘れてはなりません。

参考:
・リンダ・グラットン『LIFE SHIFT』(東洋経済新報社、2016年)
・ドラッカー『マネジメント 務め、責任、実践Ⅱ』(日経BP、2008年)
・ドラッカー名著集1 『経営者の条件』(ダイヤモンド社、2006年)
・山下淳一郎『ドラッカー5つの質問』(あさ出版、2017年)
・ジム・コリンズ『ビジョナリー・カンパニー2 – 飛躍の法則』(日経BP、2001年)
・ジム・コリンズ『ビジョナリー・カンパニー3 – 衰退の五段階』(日経BP、2010年)
・小城武彦『衰退の法則』(東洋経済新報社、2017年)

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