パーパス・マネジメントとは?ミッションやビジョンとの違い

パーパス・マネジメントとは?ミッションやビジョンとの違い

日本の元号が「令和」に変わりました。
「令」は「法令」、「和」は「調和」という意味を考えると、持続可能性に配慮するサステナビリティ経営への企業の関心の高まりが、そこに含まれているように思われます。

サステナビリティ経営においては、長期的な「存在意義」=「パーパス」が重視されます。
「パーパス」という言葉を聞き慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、これからの時代、考えることを避けては通れない命題だといえます。

就職したい企業は、ただ利益や売上を求めるだけの企業なのか、時代の変化に適応し存続を徹底的に追究している企業なのか。
自分にマッチしていれば就職してもいいのか、時代の潮流にマッチしている息の長い企業がいいのか。

今回はパーパスマネジメントについて、その意義と、経営理念・ミッション・ビジョンの違い、そしてパーパスマネジメントとミッション経営の今後の在り方についてまとめました。

■パーパスマネジメントとは

「パーパス」という言葉は、英語の”purpose”としては親しみがあるかと思います。
企業のマネジメントやマーケティング分野においては「社会における存在意義」という意味で「パーパス」という言葉が使われます。世界の先進企業で「パーパス」からスタートし、ミッションからクレド、コンセプトを統一する「パーパスブランディング」を取り入れる動きがあります。
また「パーパスドリブン」という言葉も出てきています。これは存在する意味からスタートするということです。

■パーパスマネジメントと経営理念・ミッション・ビジョンの関係

一般的にミッションは「こうするべき」、ビジョンは「こうなりたい、こういう未来にしたい」ということを述べていますが、パーパスは「社会に対して何ができるか、社会において何を働きかけたいのか」ということを意識することになります。
抽象的で漠然としたミッションよりもパーパスのほうが自分ごととして捉えやすく、具体的ではあります。

ただパーパスとミッション・ビジョンはまったく別ものというわけではありません。
パーパスとミッションは非常に近い位置にあります。

(以下引用)
ミッションの中には「パーパス型ミッション」と「アイデンティ型ミッション」があるといえる。より単純化すれば、「我々は~を欲す」と社会変革を志すミッションはパーパス型、伝統産業のように「我々は~であり続けるべし」と社会の中で文化の創造や保全を目指すミッションはアイデンティティ型である。(「Harvard Business Review 2019年3月号」)

個人レベルで見ても、TwitterなどSNSで顕著な「ただ何者かになりたい」という風潮とは一線を画して、「社会に対して自分は何ができるだろうか」という視点で成果をあげている方がいます。
前者が漠然としてはいるものの「理想の自分になりたい」という内的な自分目線であることに対し、後者は「社会的状況を鑑みた上で社会的人間としてこうなりたい」という外向きな視野が特徴として指摘できます。
どちらが良いというよりは、どちらも必要な考え方で、両方を満たせばよりよいでしょう。

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ただ「理想の自分」、「理想の組織」はその存続の維持という基盤がしっかりしていなければ成り立ちません。存続の維持は外的環境、社会の変化を無視して成り立つものではありません。
どちらか一方というよりは、ミッションとパーパスの両方に対して考えを深めていくことが必要なのではないでしょうか。

■パーパスマネジメントとSDGs

パーパスの社会的立ち位置として、SDGsはひとつのヒントになります。
SDGs(Sustainable Development Goals・持続可能な開発目標)は「ミレニアム開発目標(MDGs)」を前身とし、MDGsよりも広範囲の国連加盟国193か国が対象です。
SDGsに法的拘束力はなく、当事者意識を持ち取り組むことが求められます。

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SDGsへの取り組みは、先進国・発展途上国ともに一律の目標を目指していること、またその定義の曖昧さなどから、推進が進んでいない現状です。
しかし組織がパーパスを確たるものとすれば、SDGs、そして持続可能性の実現に近付くのではないでしょうか。

組織が社会的にどんな立ち位置にいようとしているのか、SDGsなどのサステナビリティに対してどれだけ具体的に動いている企業なのかを、企業研究の際に知っておきたいところです。

■まとめ

日々の目標だけではどうしても不十分で、なぜ生きるか、なぜ働くのかという存在意義を見つけなければ、なかなか生きづらい、存続しづらい現代に私たちは生きています。
企業としても、利益を追求するだけでは存続が難しい時代です。

パーパスはサステナビリティ経営、SDGsの達成、そして働くため=生きるために必要であり、これから就職する方も、組織に属する方にも関わる命題です。
個人、組織ともに、逆算思考的にパーパスからスタートし、ミッション、ビジョンを考えたいところです。

「自分は、この企業は何のために存在するのか」、「社会にとってどんな価値があるのか」、この質問を考えるのは苦しい行為です。
ただそれを考え抜いて実際に動いた人や組織が、社会に対して何者かに結果としてなれるのではないでしょうか。

参考
・Harvard Business Review 2019年3月号(ダイヤモンド社)
・落合陽一『2030年の仕事地図』(SBクリエイティブ、2019年)
・丹波真理『パーパス・マネジメント』(クロスメディア・パブリッシング、2018年)
・HBR WEBINAR Your Company’s Purpose Is Not Its Vision, Mission, or Values –

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