生命と健康への貢献を使命とするカルナバイオサイエンス株式会社は、治療法が限られる疾患に挑み続ける創薬に特化した企業です。創薬支援とキナーゼ創薬技術を武器に、独自のビジネスモデルを展開しています。その創薬についての取り組みをのぞいてみましょう。企業の想いに触れ、あなたのキャリアの一歩を後押しする“ヒント”をお届けします。
カルナバイオサイエンス株式会社
2003年、カルナバイオサイエンスはキナーゼ(※1)創薬における基盤技術に強みを持つ創業メンバーが、日本オルガノン(現:オルガノン株式会社)から独立する形で設立されました。設立当初より、製薬企業向けにキナーゼタンパク質の提供やスクリーニング・プロファイリング(※2)サービスを展開しました。
2010年には創薬研究部を新設し、がんや免疫・炎症疾患を対象としたキナーゼ創薬研究を本格的に開始しています。
※1.細胞内でATP(高エネルギー分子)などからリン酸基を取り出し、主にタンパク質に付け加えることでその働きを制御し、情報を伝える酵素のこと。
※2.創薬の初期段階で、どの化合物が薬になり得るかを見極めるための重要なプロセスのこと。
新しい薬をつくることで医療に貢献
カルナバイオサイエンスは、がんや免疫・炎症疾患に対する新しい薬の開発を行うバイオ医薬品企業です。特に「キナーゼ阻害薬」(※3)と呼ばれる低分子医薬品に力を入れており、世界中の患者の治療に貢献することを目指しています。
また、製薬会社や研究機関向けに、薬の研究に必要なタンパク質や試薬、評価サービスなども提供し、新薬開発を支援しています。
創薬とその支援の両面から医療の進歩に貢献しています。
※3.がんやリウマチなどの病気の原因となる異常な酵素(キナーゼ)の働きを止めて、体の中の情報伝達の乱れを正し、病気の進行を防ぐ薬のこと。
独自のビジネスモデル
安定した収益を生む創薬支援事業を活用し、カルナバイオサイエンスは、その資金を自社の新薬研究に投資する独自のビジネスモデルを持っています。
自社で創り出した医薬品候補は、製薬企業にライセンス提供することで収益化される仕組みです。キナーゼタンパク質や試薬などの研究用ツールの開発力と創薬の実行力を両立している点が、カルナバイオサイエンスの大きな強みです。
アンメットメディカルニーズへの対処
カルナバイオサイエンスは、21世紀に残された、いまだ治療法が限られている病気(アンメットメディカルニーズ)に対して、新しい薬を生み出すことを目指しています。
2026~2030年の計画では、既存の複数パイプライン(薬の候補)の収益を拡大しながら、新たなパイプラインを継続的に世に送り出すことによる持続的な利益の創出を図っています。
また創薬支援事業において、北米やアジア地域を中心とした自社開発製品・サービスの拡大などにより、自社創薬開発への資金を供給しようとしています。
カルナバイオサイエンスの経営理念
カルナバイオサイエンスは人々の生命を守り、健康に貢献することを目指します。
十分に有効な薬や治療方法がない病気に対して、カルナバイオサイエンスは有効な薬を提供したいと考えているそうです。また、製薬企業に提供される製品やサービスによる健康への貢献に取り組んでいます。
まとめ
カルナバイオサイエンス株式会社は、2003年設立の新しい薬の開発を行うバイオ医薬品企業です。安定した収益を生む創薬支援と新薬研究の両軸で、事業を展開しています。理念のもと、今後もがんや免疫・炎症疾患といった治療法が確立されていない病気へアプローチを行う方針です。




