日本特殊塗料株式会社は、塗料の技術を出発点に音響制御という新たな領域に進出していった『色・音』の総合メーカーです。粗原料から製品化までを貫く塗料のDNAは、自動車の防音性能を支える力となり世界へと広がっています。創業100年を目前にした日本特殊塗料株式会社は、どのような創意工夫に満ちた未来を見据えているのでしょうか。企業の想いに触れ、あなたのビジョンに寄り添う“ガイド”をお届けします。
日本特殊塗料株式会社
1929年に航空機用塗料の製造・販売を目的として設立された日本特殊塗料は、戦後は建材や自動車向け塗料の開発で事業を拡大しました。現在は多分野向けの塗料の他に、自動車用の防音材などの製造も行っています。
色と音の総合メーカー
日本特殊塗料は「色・音」に関する総合メーカーとして、塗料と自動車製品の分野で事業を展開しています。
塗料分野では、塗り床材や防水材、防錆材などの特殊機能を備えた製品を、航空・宇宙産業から一般住宅まで幅広く提供しています。
制振・吸音・遮音技術を駆使して車種ごとに防音設計をおこなっている自動車用防音材は、国内全メーカーに採用されているそうです。また、各種工場や音楽ホール、一般家庭に向け、自動車の防音技術を応用した騒音対策用の製品も取り扱っています。
塗料技術を核に音響制御で世界へ
塗料の製造を祖業とする日本特殊塗料には粗原料から製品化するDNAのようなものがあり、自動車部品も粗原料の配合から行っていることを強みとしているそうです。培ってきた塗料に関する技術に加え、スイスのオートニウム社との提携で高度な音響制御技術を獲得したことが飛躍の要因となりました。現在では自動車全体の防音性能の割り付けが可能で、自動車メーカーと遜色ないレベルまで進化しているそうです。海外展開する自動車メーカーに対応するため、日本特殊塗料は世界的視野で技術導入や供与を進めています。
創立100周年のさらにその先へ
2029年で創立100周年を迎える日本特殊塗料は、「変革と挑戦 つぎの100年をともに創ろう」をテーマに2030年3月期までの中期経営計画を策定しました。
事業方針として「製品ポートフォリオの最適化」「販売機会の最大化」「技術力の革新」などを示しています。
塗料事業においては首都圏・東日本の営業力強化や、塗り床材事業の育成をおこなう方針です。自動車製品事業では環境対応技術・素材の開発や海外連携強化などを計画しています。
日本特殊塗料はこれらの事業戦略により、売上高800億円を目指すとしています。
日本特殊塗料の社是
技術開発からスタートした企業として日本特殊塗料は『自ら会得した技術を持って社会に報いていく』という信念から『創意工夫』を社是にしているそうです。
この社是の基、日本特殊塗料は以下の経営の基本理念を掲げています。
卓越した技術と製品により社会に貢献する。
株主の利益を尊重し、社員の人格を大切にする。
環境と共生し、国際標準に準拠しつつ、永遠の発展を目指す。
まとめ
日本特殊塗料株式会社は、1929年に航空機用塗料の製造・販売を目的に設立された「色・音」の総合メーカーです。『創意工夫』を社是とし、卓越した技術と製品で社会に貢献することを目指しています。環境対応技術や国際連携を強化しつつ2030年に売上高800億円を計画しています。