目的を最速で叶えるOODAループ思考とVSAMとは?

OODAループ思考とは?

OODA(ウーダ)ループ思考は、多くの軍事組織やサイバーセキュリティリティ分野でも採用されている理論で、アメリカ空軍大佐のジョン・ボイドによりまとめられた理論です。
この理論により、朝鮮戦争の空中戦で米軍は、ソ連および中国軍と比較して自機の性能が敵機に劣っていたにもかかわらず、平均して1機で10機の撃墜を可能としました。また、湾岸戦争・イラク戦争での短期間の勝利などもOODAループによるものだとされています。

世界の軍事戦略をも大きく変えたOODAループ思考ですが、特別難しい理論ではなく、私たちが生活の中ですでにやっているプロセスです。
見て、理解し、判断し、行動する。子どもでもやっていることです。
つまりOODAは、Observe(みる)、Orient(わかる)、Decide(きめる)、Act(うごく)、Loop(みなおす)という、ごく一般的なプロセスで成り立ちます。

Observe:周りの環境や状況を観察する

Orient:どんな状況に変えたいか、環境の中でどうなりたいか、ビジョンを描く

Decide:意思決定、具体的行動を決める

Act:実践する

Loop:見直す、フィードバックをする

PDCA思考、ロジカルシンキングは、正しく実行すればもれなくダブりなく、確実に目的を達成できます。ただスピードが圧倒的に速い現代では、PDCAで検証中に状況が大きく変わってしまいます。
速い変化の中では速い決断が必要なのは言うまでもなく、戦闘中であればPDCA思考を回している場合ではありません。

そこで必要となる最新の思考フレームがOODAループなのです。

2番目の「Orient」に必要なVSAM

OODAループの背骨ともいえる、2番目のOrient(わかる)については、特に重要な「VSAM」というフレームワークがあります。
つまり、Vision(ビジョン)、Strategy(戦略)、Activities Directions(行動指針)、Mental Model(メンタルモデル)の4つの要素をもちます。

VSAMについては、ジョン・ボイドの理論では言及されておらず、発展させた形で入江仁之が『OODAループ思考入門』で提唱しています。

(以下引用)
①世界観とは世界を今、そしてその先をどう観るかということ。
②わかるとは世界観を形作ること。
③世界観は(中略)、将来の世界の展望であり目的でもあるビジョン(V)、その目的を実現するための戦略(S)、行動方針(A)に加え、それらを潜在意識でどのように観てるかを示唆するメンタルモデル(M)によって構成される。
(参照:入江仁之『OODAループ思考入門』pp.109-10)

VSAM、特にVSAにより世界観が鍛えられていけば、直観で素早く正しいOrientができ、即座にDecideすることができます。

実際にVSAMをもつフレームワークが、シリコンバレーなど多くの企業で採用されています。

OODAループとVSAMで目的を最速で達成する

世界観を明確にもつVSAMと、最速の行動がとれるOODAループで、目的を的確に・最速で達成しましょう。

参考

  • 入江仁之『OODAループ思考入門』(2019年、ダイヤモンド社)
  • チェット・リチャーズ『OODAループ』(2019年、東洋経済新聞社)
  • OODAループ:あらゆる分野で適用できる戦略一般理論 – I & COMPANY
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