株式会社岡山製紙は、板紙(厚手の紙)の製造を行う地域社会に根差した老舗企業です。『すべてのステークホルダーとの調和のもと、共存の精神で200年企業をめざす』という経営理念を掲げる株式会社岡山製紙の事業には、どのような独自性があるのでしょうか。企業の想いに触れ、あなたのキャリアの一歩を後押しする“ヒント”をお届けします。
株式会社岡山製紙
岡山平野の稲わらを原料に板紙事業を行うため、1907年に岡山製紙株式会社として設立され、岡山市を流れる旭川の水資源と舟入に恵まれた川沿いに工場を建設しました。1952年に現在の事業の柱である段ボール原紙の製造を本格的に始めています。1950年代末に主原料の稲わらが入手困難になり、パルプや段ボール古紙が原料として主流になりました。1973年には美粧段ボール事業を開始しています。1990年に株式会社岡山製紙に社名変更しました。2009年には王子製紙株式会社(現 王子ホールディングス株式会社)の持分法適用会社となっています。
板紙・美粧段ボールでニーズに応える
岡山製紙は板紙事業と、美粧段ボール事業を展開しています。
板紙事業
原料として古紙100%を実現しており、古紙の再生から製品化まで、一貫体制を構築しています。主力は段ボール波型の部分の素材「中芯原紙」と、巻き芯と紙筒の原料「紙管原紙」で、中国四国地方の物流や紙管メーカーのニーズに応えています。
美粧段ボール事業
青果物や医薬品などの個装箱や贈答箱を取り扱い、企画・設計から製造加工まで一貫して行っています。
CADシステムを活用した提案力で、ユーザーのニーズを先取りし、新しい価値を追求していく姿勢を示しています。
6色インクジェットプリンター「Glory1606」
美粧段ボール事業で競争優位性を確保するため、岡山製紙は顔料ベース水性インキ6色により色の再現性が高いインクプリンター「Glory1606」を日本で初導入しました。段ボールシートへの直接印刷が可能で、これにより岡山製紙は多品種小ロット※での生産や写真の差し替えなど、フルオーダーに近い対応を実現しました。加えて、大型什器や展示看板への印刷にも対応できるそうです。
※製品のバリエーション(品種)を増やし、1品種あたりの生産数量(ロット)を抑える生産方式。
岡山製紙の中期経営計画
岡山製紙は、2024年から2026年の中期経営計画において、事業成長を推進するための販売方針を公表しました。
板紙事業では、中芯原紙における新規取引先の開拓や、紙管原紙で用途拡大を目指す方針です。また、美粧段ボール事業では、王子グループとの連携強化や通販箱の拡販を進め、競争力を高めるとしています。
そのほかに、人的資本経営による働きやすくやりがいのある職場環境づくりや、安全第一で既存設備の生産性向上に取り組む方針を示しています。設備投資では、老朽化対応やサステナビリティ対策を加速させる方針です。
岡山製紙の経営理念
すべてのステークホルダーとの調和のもと、共存の精神で200年企業をめざす
岡山製紙は、ステークホルダーとの調和を重視し、共存の精神で200年企業を目指しています。製紙工場と加工工場で独自のリサイクルシステムを確立し、SDGsの「つくる責任 つかう責任」「陸の豊かさも守ろう」に取り組んでいます。
まとめ
株式会社岡山製紙は回収段ボール古紙を原料とした板紙事業と、顧客ニーズに柔軟に対応できる体制が強みの美粧段ボール事業に取り組んでいます。地元岡山に根ざした『共存の精神』を柱に、社会のニーズに貢献している企業です。




