半導体部品や電子部品を取り扱う株式会社エノモトは、高度な技術力で国内外のモノづくりに貢献している企業です。この記事では、AI化や無人化による技術革新を進め、脱炭素社会に挑戦する株式会社エノモトの事業について深掘りしていきます。その事業の根幹を支える経営理念とは、どのようなものでしょうか。企業の想いに触れ、あなたのキャリアの一歩を後押しする“ヒント”をお届けします。
株式会社エノモト
1967年に精密金型製作と電子部品のプレス加工を目的に、株式会社榎本製作所として設立されました。1970年代には、半導体用リードフレームの米国輸出を始め、世界市場に進出しています。1990年には社名を現在のエノモトに変更しました。1995年にフィリピンに拠点を設立し、さらに2000年には香港、翌年には中国広東省にも拠点を設け、グローバル展開を強化しました。
現在は電子部品や半導体部品の分野において、プレス・メッキ・樹脂成形による製品を国内外で一貫生産しています。
暮らしを支える精密技術
エノモトが製造している電子部品や半導体用部品は、様々な製品に使用されています。
半導体チップの台座で電気を通す役割を担うパワー半導体用リードフレームや、LEDの光源を支えるLED用リードフレームなど、多様な部品を扱う他、精密プレス・樹脂成形技術を活かした新規開発も行っています。
このような製品の製造にはプレス金型が使われています。エノモトは独自の技術により従来の20倍の耐久性を有する金型を開発しました。長寿命を実現したことで、コスト削減や生産スケジュールの安定化、製品寸法・形状の安定に繋がっています。
日本品質の一貫生産体制と技術革新
長年にわたり海外において工場の運営を行ってきたエノモトは、フィリピン・中国で展開している自社工場や協力会社との広いネットワークを活用し、顧客ニーズに柔軟に対応できることを強みとしています。
技術移転にも積極的に取り組み、すべての海外工場で日本品質の一貫生産体制を構築しています。これにより短納期で高品質な超精密部品を大量に製造できるそうです。
また現在、脱炭素社会に向け、山梨県や山梨大学との産官学連携のもと、次世代技術の開発に取り組んでおり、水素燃料電池の基幹部品となる新型セパレータの研究開発を進めています。
エノモトのビジョン
エノモトは「ビジョン2030」において、「技術」「人材」「環境」の3つの観点から「ありたい姿」を示しています。
技術:AI化と無人化による金型技術の進化を通じて、最先端市場に高品質な部品を提供し続ける。
人材:多様な人材が活躍できる職場環境を整え、新たな企業価値を創造する。
環境:燃料電池部品を実用化し、脱炭素社会の実現に貢献する。
燃料電池部品事業については、山梨大学との共同研究を進め、2030年に実装実験を開始、2035年頃には新車への搭載を目指すとしています。
エノモトの経営理念
経営の中心は人であり、健全なものづくりを通じて、豊かな社会の実現に貢献する。
エノモトは働く場づくりを重視し、誰もが主体的に動ける環境を整えることを目指しています。人が育つ職場環境を実現するため、ワークライフバランスの促進に取り組み、社員満足度調査の結果を制度に反映させているそうです。
まとめ
株式会社エノモトは国内外で日本品質の一貫生産体制を築き、電子部品・半導体分野で高精度な製品を提供し続けています。独自技術による高耐久金型の開発や、水素燃料電池部品の研究開発などを通じて、技術と環境の両面から豊かな社会の実現に貢献しています。




