日本精蠟株式会社
日本精蠟株式会社は1929年に、ワックス(ロウ)の国産化とその製造過程で得られる重油を海軍に供給することを目的に、南満州鉄道の子会社として設立しました。現在、主に石油を原料とするパラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスを中心とした良質のワックスとその副製品の製造・販売を行っています。
ワックスとは
ワックス(WAX)の歴史・起源は、古く紀元前まで遡り、その語源はアングロサクソン語の”WEAX”=”蜜蝋”のことを指しています。
ロウソクが誕生した古代エジプト時代から近代まで、ロウソクの原料には蜜蝋が使用されていました。
現在ワックス、すなわち蝋は、一般に「常温で固体、加熱すると液体となる有機物」と定義され、非常に広い意味で用いられています。
ワックスは環境や人にやさしく、安全で無害
昨今では持続可能な社会の実現、脱石油の観点から植物ワックスやフィッシャートロプシュワックスがより注目されています。
創業より主に石油ワックスの取扱いをしていましたが、ワックスのスペシャリストとして石油ワックスのノウハウを活かし、植物ワックスやフィッシャートロプシュワックス製品の開発・製造も行っています。
日本精蠟の歩みと強み
国内で唯一、ワックス一筋の専業メーカー
1929年に設立しました。ワックスの国産化及びワックスの製造過程で得られる重油を海軍に供給を行っていました。
1945年の終戦時に閉鎖された後、1951年、新たに日本精蝋株式会社として再興され、以来、石油ワックスを扱う国内で唯一の専業メーカーとして半世紀以上にわたり、日本の産業経済の成長と発展に力を尽くしてきました。
特殊な領域の需要に応える卓越した技術力
ごく限られた領域で高い性能が求められるワックスの特殊なニーズにも対応しています。
中でも、タイヤなどの各種ゴム製品の老化防止には大きな成果を上げています。
原料のゴムにワックスを練り込むことで、老化の原因となる大気中のオゾンを遮断する被膜を形成し、亀裂を防止します。
その効果を発揮する成分が温度によって異なるため、気象条件などに合わせたワックス組成の微妙な調整が必要です。
こうしたハイレベルな要望に応える基盤となるのが、ワックスの専業メーカーとして素材づくりで蓄えた経験とそこで培ってきた技術力であり、最大の強みです。
多彩な用途に対応する豊富なバリエーション
同社のワックスは、品質の良さだけでなく、バリエーションの豊富さでも群を抜いています。
高純度に精製された特製品と呼ばれるワックスは、需要の伸びも顕著な分野で大切な役割を果たしています。
たとえば、熱転写方式のプリンタインクに用いられているワックスは、紙への密着度を向上させる働きがあります。
また、製本や合板工場のラインに使用されるワックス系ホットメルト接着剤は、加熱で液化させ、塗工し、冷えて固まることで接着が完了するため、乾燥させたり、溶剤の揮発成分を飛ばしたりする必要がありません。
人・環境にやさしいことから、今後も安定した需要が期待されています。
高い知名度を活かし、グローバル事業を拡大
同社のワックスは、豊富なバリエーションと品質において、事情の異なるさまざまな国や多様なニーズに幅広く対応し、世界各国で高く評価されています。
あらゆる産業のグローバル化が進む中、これまでに得た信頼と高い品質を最大限に活かし、ますます需要の伸びが予想される世界市場での事業展開強化に向け、販売網や供給体制、さらにはサービス体制の拡充に力を注いでいきます。
中期計画 の基本方針
1.“成長市場でのプレゼンス”確立と“高機能・高品質製品”の追求
2.“経営管理”の高度化・適正化
3.持続可能な社会(SDGs)・長期的な事業の発展に向けた“脱重油”への移行準備
企業理念/時間、環境を大切にし、仕事を楽しみ、やりがいを感じ、一人一人が輝く
企業理念Philosophy
・ 時間、環境を大切にし、仕事を楽しみ、やりがいを感じ、一人一人が輝ける会社
・ 歴史の積み重ねを誇りとし、人財を育み、未来に繋ぎ、お客様に信頼され続ける会社
・ 現場力の強い、本質のぶれない会社
目標
専業メーカーとして業界世界一と信頼され、必要とされる会社となる。
まとめ
日本精蠟株式会社は、石油ワックスを扱う国内で唯一の専業メーカーとして半世紀以上にわたり、日本の産業経済の成長と発展に力を尽くしてきました。技術・体制を結集し、他社には簡単に真似のできない“高機能・高品質の製品”を追求していくと思われます。
引用:日本精蠟株式会社 https://www.seiro.co.jp/?/index.html/
「vision」内 日本精蠟株式会社