東京スカイツリーなど、各地のランドマークに製品が採用されている大日本塗料株式会社は、創業以来90年以上にわたり革新的な開発を通して、塗料の可能性を広げ続けてきました。その取り組みと、事業の根幹となる経営理念に焦点を当ててみましょう。企業の想いに触れ、あなたのキャリアの一歩を後押しする“ヒント”をお届けします。
大日本塗料株式会社
大日本塗料の原点は、日本電池株式会社に招かれた根岸信氏(後の二代目社長)が1927年に完成させた防錆塗料「ズボイド」にあります。1929年に日本電池株式会社から独立し、三菱財閥などの全面的支援を受けて鉛粉塗料株式会社として設立されました。翌年には技術力が評価され、海・陸軍省、鉄道省の指定工場に認定されました。1936年に現在の社名へ変更しています。1970年にタイに合弁会社を設立するなど海外展開を進め、2001年に自動車やプラスチック用塗料に強い田辺化学工業株式会社を吸収合併し、事業を拡大しています。
塗料開発を原点に進化を続ける
「重防食のDNT」として知られる大日本塗料は、構造物の防食塗料で業界トップシェアを占めており、その製品は様々なランドマークに使われています。時代や顧客のニーズに応える塗料開発を続け、近年は防食技術センターやコーティング技術センターを設立し、最先端塗料の研究開発を推進中です。特に、塗料分散技術を応用した医療分野や、インフラ老朽化対策向けの製品開発に注力しています。
さらに大日本塗料は、塗料技術から派生した照明機器や蛍光色材にも事業を広げています。
革新的技術の開発とグローバル展開
大日本塗料の高耐久性塗装システムは、塗装工程の短縮とVOC(揮発性有機化合物)排出量の削減、塗替えサイクルの長期化を実現し、コストを低減できることが強みです。
また、研究開発部門では需要に応える技術と基礎研究を両輪とし、幅広い活動に取り組んでいることが特長です。開発した新材料・新技術は、海外を含め400件以上の特許を維持しており、大日本塗料は知的財産を活用し海外事業を進めています。さらに、培ってきた技術との複合化による、電子材料やバイオ分野など新事業への挑戦にも取り組んでいます。
大日本塗料の展望
大日本塗料は創立100周年を迎える2029年度に、連結売上高1,000億円、営業利益100億円の企業規模を目指す「ビジョン2029」を掲げています。その実現に向け、2024年度からの中期経営計画では、以下の基本方針に取り組むとしています。
・成長市場と先駆的領域への注力
・外部リソースの獲得・活用による事業基盤拡大
・人材と事業活動の全社最適化
取り組みの一環として、大日本塗料は2025年3月18日付で総合塗料メーカーである神東塗料を連結子会社化しました。
大日本塗料の経営理念
当社は、新しい価値の創造を通じて地球環境や資源を護り、広く社会の繁栄と豊かな暮らしの実現に貢献できる企業を目指します。
大日本塗料は、かけがえのない地球環境を守るため、常に環境に配慮した製品の開発に取り組んでいるそうです。省資源、省エネルギー、リサイクルの推進などを通じて、環境との共生を目指した活動を展開し、潤いある社会の実現に貢献するとしています。
まとめ
大日本塗料株式会社は、創業以来、塗料の可能性を追求し続けてきました。防食塗料をはじめとする高機能製品の開発に取り組みながら、グローバルに事業を展開しています。経営理念に基づき、環境への配慮を通じて社会に貢献しています。




