株式会社田中化学研究所は創業以来、『化学系ものづくり企業』として技術革新を重ねてきました。電池材料の開発において、長年培った独自技術を活かし、安定品質の製品で国内外の電池産業を支えています。持続可能な社会の実現に向けた、次世代エネルギー分野における株式会社田中化学研究所の挑戦を見ていきましょう。企業の想いに触れ、あなたのキャリアの一歩を後押しする“ヒント”をお届けします。
株式会社田中化学研究所
1957年に大阪市で田中化学研究所は、設立されました。同年に兵庫県尼崎市の武庫川工場でフェライト用炭酸マンガンの生産を開始しています。
創業から約70年、水酸化ニッケルなど無機化学製品の製造を行っており、現在は二次電池の正極材と前駆体の製造が主な事業です。
2016年には住友化学株式会社の子会社となり、事業のさらなる発展を図っています。
化学系ものづくり企業
田中化学研究所は『化学系ものづくり企業』として、創業より事業を展開してきました。1973年から電池用材料の開発・製造に取り組み、特にニッケル・コバルト・マンガンの3つの元素を使用した三元系正極材料は、20年以上の生産実績があるそうです。
現在では、リチウムイオン電池用の前駆体とニッケル水素電池用の正極材を製造しており、電気自動車やスマートフォン、産業機械などの幅広い製品に使用されています。
※リチウムイオン電池にはニッケルなどの金属塩が使われます。これらを反応・沈殿・乾燥させたものが前駆体で、焼成すると正極材になります。
安定品質の製品で国内外を支える
田中化学研究所が製造する正極材は日本や欧米の大手自動車メーカーをはじめ、さまざまな電池メーカーに納入されています。また前駆体も国内外の正極材メーカー(焼成メーカー)に提供しており、田中化学研究所の材料が採用された製品は世界中で利用されています。
製造においては、酸に溶かした原料にアルカリ水溶液を加える「中和反応工程」に関する知見を多く保有しているそうです。研究室レベルの知見だけでなく、プラントレベルの製造につながる知見を活かし、安定した品質での量産を実現しています。
二次電池における市場の変化と新規参入
田中化学研究所では、ニッケル水素電池が堅調に推移する一方で、今後はリチウムイオン電池を搭載したハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(BEV)への移行が進むと見込んでいます。BEV向けを中心に車載用リチウムイオン電池も扱っており、今後も市場のニーズを捉えて対応していくとのことです。
また、データセンターや建設機械、産業機械向けなど新たな展開も図っています。
田中化学研究所の経営理念
正極材開発で培ってきた独自技術を基盤に独創的な新製品を生み出すことを通じて、地球環境課題の解決に挑戦し、持続可能な社会の実現を目指します。
社訓として、温かくて柔軟な発想と創造挑戦の意識を原点とし、顧客のニーズに応える製品開発を行うことを挙げています。
まとめ
株式会社田中化学研究所は1957年に設立されました。主にリチウムイオン電池用の前駆体とニッケル水素電池用の正極材を製造しており、車載用途やスマートフォンなど幅広い分野で活用されています。今後はデータセンターや産業機械向けなどの市場にも対応し、持続可能な社会の実現に貢献するとしています。




